シンプルだけど飽きがこない。薄型パスケース「Slice」の製作
大国町のMunekawaのアトリエでは薄型パスケース「Slice」の追加製作を進めていました。
「Slice(薄いひと切れ)」という名前を冠するカードケース。その名の通り、厚さを2ミリにまで抑えた究極の薄型設計がポイントの一つ。
カードケース単体として使うもよし、財布の中にもすっぽり収まるサイズ感なので、財布の中の脱着可能なもう一つのカードホルダーとしてもお使い頂けます。
製作の様子を覗いてみましょう。
中央のひし形の奇妙な穴。この部分が両端を貼り合わせた際にカードケース底にできる切れ込みになります。
この切れ込みから見えているカードを押し出す事で、片手でカードの出し入れができます。
薄さと機能性を追求しながら、同時に高級感を感じさせる佇まいはタンニンなめし革がもつ革本来の自然な風合によるものです。
エイジングを重ねる事で、より独特な色合と光沢が感じられるようになります。
革の風合だけではなく製作の点でも、ディテールに配慮する事で、高級感を演出しています。Munekawaの焼印ロゴもその一つ。ひとつひとつ、ズレが無いよう刻印を押していきます。
革の裁断面(コバ)を綿布を使ってひとつひとつ磨いていきます。どんなに薄いアイテムでも、断面の手触りを優しくして使い心地を柔和なものにする、というMunekawaのこだわりが見られます。
派手ではないけど、安っぽくない。シンプルだけど、十分な機能性に充ちている。そういったものが「シンプルだけど飽きがこない」アイテムになり得るのだと思います。
実現し続けることは簡単ではありませんが、その事を大切にこれからも物作りに励んでいきたいと考えています。