2019.11.27 | 革について |
一枚革って
◆ 本日のブログは当サイト内「コラム」で以前ご紹介していたテキストです。「コラム」の終了に伴い、ブログにも同様のテキストを掲載をいたします。今回のテーマは「一枚革」について。是非ご覧ください。
一枚革って、漠然とした「良い」というイメージだけで接客などで言われていますが、実際のところ何がいいの?
一枚革が何故いいか考えた事ありますか。
取引先の方や友人に質問しても、何故良いのか明確な理由が答えられないけど、良いことだけは、なんとなく認識していました。
一枚革のよいところは、製作している側から考えてみると、一番の理由は大きくパーツを取っている事にあります。
細かいパーツを組み合わせて一枚革と言われても、何の意味もありません。「一つで取れるパーツは一つで取る」という事をMunekawaでは常に心掛けています。張り合わせや、縫製の数を減らす。そうする事で強度が上がることが多いと感じています。
細かくパーツを組み合わせた方が一枚の革からたくさんのパーツが取れる為、期待にそえる価格にするには仕方のないところもあると思います。
ですが、よくよく考えてみると、材料費は抑えられても、縫製や張り合わせの数がふえたら、その分工賃がかかるから同じじゃないの?と思ってしまいますが、革という材料は高い。
ピンキリはありますが、10cmX10cm(1デシ)で100円なんてまだまだ安い革だと思う。布地は120cmX120cmで3000円といえば、まあまあ良い生地だと思います。
これを1デシ100円で同じ大きさにして考えてみると革は、単純計算で1mが12000円になる。しかも、革は生き物の形をしている上に、キズやシワもあるので、これらを避けていくともっと値段は跳ね上がります。
Munekawaではだいたい、120x100サイズ(120デシ)の革があったとしたら、キズやシワよけて取ると凡そですが、30~40%はロスになる。それらを計算していくと頭を抱えたくなるような金額になってきてしまいます。
よく通販番組とかで継ぎ合わされた鞄や財布を見かけますが、本当に素材を大切にしようと努力されていると思います。
話をもどしますが、一枚革で製品を作るという事は、そんなに簡単なことではないし、量産する事が難しいものです。サイズが大きくなればなるほど、一枚の革からできるだけたくさんのパーツを取りたいと思うのは、だれもが思う事。
製作スタッフはそこの戦いを常にしています。このキズ避けたいけど、これを避けたら、パーツが取れないパズルのようにいろいろなパターンで並べてみる。
これも技術の一つだと思います。
財布やバッグなどを見ていると一つの物として見てしまいがちですが、そのパーツ一つ一つに技術が詰め込まれて、製品までなっている。そう考えると、我々の作っている以外の物も、しっかりとパーツで見てみると、面白い発見がたくさん見つけられるかもしれませんね。
今日は、一枚革について考えてみました。
Munekawaで使用している「革」の詳細ページ
https://blog.munekawa.jp/concept/leather