2021.05.15 | 製作風景 |
革製品の厚み
革製品の製作をする上で、行う「漉き」の工程。
革の厚みを製作の必要に合わせて、スライスする工程の事を指します。
製作するアイテムの各パーツの厚みをそれぞれ調整しながら、漉いていきます。
縫製などに先駆けて行う、とても繊細な工程。
革の厚みが少しでも違っていると、後の工程にしわ寄せが来てしまいます。
革が2枚重なる所と、そうでないところなど、製品の構造に合わせて各パーツの厚みを調整します。
パーツの形状によっても漉きの難易度は変わります。例えば曲線的な形状の物は直線的な物に比べると、均一な厚みを保って漉くのに注意が必要です。
多くの人は、生活の中で「0.1ミリ」の厚みを意識することはそうそうないと思います。
しっかりと強度を持ちながら、かつ、かさ張らない理想的な厚みは、その0.1ミリの差が出来上がりに大きく影響します。
そのようにして完成した製品。
革製品の製作、レザークラフトに精通している人は、持っただけで「厚みに注力して作られた物かどうか」が分かるものです。
また、革製品に親しんでいない人にとっても、手に持った時に「なんだか手に収まりが良いな」と感じてもらえると思います。
製品の強度、デザイン、佇まい、手当たりの良さ、全てにおいて「革の厚み」はとても重要な要素。
長く使っていく上で、そうした僅かな部分も感じて頂けたら嬉しいです。
Munekawaが製作する上で大切にしている事
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