2019.09.15 | 製作風景 |
革を確認し把握する
Munekawaで使う革の材料は、すべて一枚一枚、検品をしていきます。
革の枚数を数えることや革の大きさを確認するだけでなく、一枚一枚の革の具合を見て「この革は、傷が少なく綺麗な革だな」という革を選定していきます。
もちろん生き物の革ですし、ダメージのある部分もあります。しかも、すべて同じように鞣し(なめし)ができているとも限りません。
「この革は、傷が多い革だな」
「少しキメが粗いな」
など、革の特徴をそれぞれ確認していきます。
革を丁寧に確認する理由
「そもそも、確認することにどういう意味があるの?」と思われるかもしれません。
その答えは製品の仕上がりを均一にする為です。革を確認する事はその前段階の作業なんです。
Munekawaでは、20〜30個ぐらいの数量を同時に製作していくことが多いですが、これらを出来るだけ、革の質感を均等に近づけ革製品を完成させることを目標にしています。
数枚ある革から、この革は綺麗で傷が少ない革だから、表の一番顔になる部分につかおうとか、少し小傷が多いから、目につきにくいポケットの中につかおうとか、今ある革材料で一番良い状況を作れるように裁断の段階から工夫をしています。
この作業って出来上がりから作業工程が頭に入っていないとできないことなんです。
平面の革の材料の段階から、立体的に組み上がった時のことを頭に描いて裁断をしていく、これは良い物を作り上げていく為には、本当に大切な工程です。私も最近になってより一層大切な作業だなと改めて感じています。
責任感の強いスタッフは、この作業は「自分がやります」と率先して作業にかかります。
その前段階として、革の確認をしています。一般的に検品というとダメなところを探して見つけるというようなイメージですが、革はそもそも傷があって当たり前なので、製品を作る前段階の確認という方が正しいかもしれません。
全ての革が製品になるわけではありません。
余談ですが、一枚の革で製品に使う量って大体6割くらいなんです。4割くらいは使えない部分が出てきます。だから、革製品は割高になってしまう。
でも、この使えない部分にも2通りあります。
一つ目は、傷であったり繊維がふやけていたり、シワがあったりする部分。
二つ目は、使えるが、傷と傷に挟まれていてサイズが足りなくて使えない部分。
そもそも一つ目は、Munekawaではおよそ使うことはありません。
二つ目は、形を変えて使っていきます。製品でいうと、 キーリング か ケーブルホルダー に使っていきます。
せっかくのいい革なので大切に使わせてもらいます。
ちょっと話が外れてしまいましたが、革って本当に良い雰囲気を持っている反面、難しい素材だなといつも感じます。